明窓園ギャラリー 豊穣の舞
明窓園について

我が家の人形

 我が家の人形についてお話するには、どうしても義母のことをお話ししなければなりません。
 義母は備中の浅口郡連島(現倉敷市)に明治三十七年五月に産まれ福山に嫁ぎ、中年を過ぎてから一人息子の勤務地の呉市に約三十年住んで、八十三歳で昭和六十二年に亡くなりました。
 義母は私が結婚した時には病んで止むなく左大腿切断術を受けて三年目で、松葉杖で不自由な生活を送っていました。それ以来、ずっと同じ屋根の下で三十七年間、私の両親よりも夫よりも長い時間一緒に暮らしました。脚が悪く、その上、車に酔うので長距離の旅行も出来ず、一人で外出することもかないませんでした。
  その義母が晩年の生きがいとして、百貨店や広島で催される各県の物産展等で人形を買い集めだしたのがコレクションの始まりです。
 人形と対話した数年間は本当に穏やかな生活を送り、人生の終わりを迎えたように思われます。一つ一つの人形には義母の思い出や私の想いがこもっています。
 私はこの人形たちに心からお礼を言うとともに、勝手気ままに引き続き人形を集めることを許してくれた主人に感謝しております。
 人形とは、「ひとのかたち」と書きます。人の心を映したものです。皆さんのお一人お一人がどの人形のかたちでしょうか。いつの世にも気高く、美しく、心優しくありたいものです。
 そして、人として情緒豊かな心を忘れないため、このギャラリーが役目を果たしてくれるよう祈って止みません。
 見て戴く方々に、少しでも慰めと安らぎを感じていただければ幸いでございます。

明窓園 岡田恵子

 

サイト内コンテンツの無断使用を禁止します。 もどる明窓園